「善意の提案」を大切にしよう

こんな人にオススメ!
・支援者から多くの提案を頂いている人
・たくさんの支援者がいる人
・選対で活動している人

 

実体験から分かった「善意の提案」の大切さ

今回は、選挙対策本部(選対)を切り盛りさせて頂いた実体験をもとに、集まってくる「善意の提案」について書いていきたいと思います。ためになる提案もあれば、突拍子もない提案もあります。ただ、そういった提案が飛び交うような組織は雰囲気も良く活気が出ます。「善意の提案」の扱い方次第で、選挙の結果も変わってきますので、この話は、選挙に挑もうとしている方たちや、選対を組織する方に私が良く話をしているものです。

すぐに具体案がひらめくような話ではありませんが、「自分たちはどのように選挙を戦うのか?」という意思確認をする際に参考にして頂く、あるいは、「これから、こういうことが起こるのか」とシミュレーションの材料にして頂けたらと思います。選挙は予期せぬ事態が多発するものです。そのため、「こういったことが起こるのか」ということを頭に入れておいて頂くだけでも意味があると思います。

今回のポイント!
選挙には、「善意の提案」が集まってきますが、その全てに対応することは不可能です。また、本当にためになる提案もありますが、理にかなっているとも言えないものもあります。しかし、「善意の提案」が集まらない組織は、人や情報が集まらない組織にもなるため、良い結果になりません。そのため、「善意の提案」をどのように活動に活かすかという、その選対独自のやり方を構築することが大切です。

 

支援者からの「善意の提案」は候補のことを真剣考えてくれていることの現れ

選挙には、支援者の方々からの「善意の提案」がたくさん集まってきます。たとえば、次のようなものです。実際に自分が聞いたものです。

「他の候補が、勉強会を開催し始めた。ここもはやく始めた方が良い」

「まだ選挙期間ではないのに、名前入りのタスキで辻立ちをしている候補がいる。はやく選管か警察に連絡をしなさい」

「あの人は、地区の重鎮に挨拶に行ったよ。え、あなたは行っていないの?早く行きなさい!」

「他の候補は、地域団体に入ったよ。選挙目当てだと思われても、入らないよりはマシだから今からでも入りなさい」

「選挙カーで、『私は給料はいりません。議員定数も半分にします!』と叫びなさい。知名度がないんだから、極端なことを言って目立たないとだめだ」

「Facebookで活動の様子をアップした方が良い。活動風景は人の心をつかむ」

「候補はFacebookなんてする余裕がないくらい動いてもらわないと困る。候補がFacebookなんてあげていたら、余裕があると思われて隙ができる」

「候補は必死さが足りない。霧吹きで汗を演出した方が良い」

効果がありそうなものもあります。また、突拍子もなく、実行しても意味の無いものもあるかも知れません。

しかし、これら全ては、支援者が「『他の候補に勝って欲しい』と思い、考えて下さった大切な提案」であるということも忘れてはいけません。また、ほとんどの方は選挙に関わったことがないため、選挙に対する知識がないということもあらかじめ理解をしておく必要があります。

選挙は「熱伝導」が命です。そのため、そういった支援者の想いをまとめて活動していくことが大切になります。「善意の提案」をむげに扱うと、提案をして下さる人がいなくなります。そうなると、選対が寂しくなり、雰囲気も悪くなります。そして、人や情報が集まらくなり、組織は良い結果が残せません。「熱伝導」はちょっとしたことから、大きく連鎖しますので、注意が必要です。

「善意の提案」には、その選対ごとの対応を決めなくてはならない

ここまで読んで頂いた方は、「こういうことが起こることは分かった。では、具体的にどうすれば良いのか?」と思ったことでしょう。

たとえとしては、「言われたことは、全て実行する」でも良いですし、「すみません、自分たちは○○を大切にしたいので、それは行うことはできません。ただ、ご意見ありがとうございます」と組織としてやるべき方向性を示す回答でも良いです。「ありがとうございます!(おそらくやりませんが・・・)」と聞き流すことも場合によっては必要かも知れません。

しかし、自分の結論としては、「その選対なりの、『善意の提案』をくれた人を巻き込む仕組みを考え、実行する」としか言いようがありません。その組織が動き出す中で、自分たちでそういった「善意の提案」への対処方法を考えなければなりません。そこには、答えはありません。候補の性格、選対の雰囲気などを考慮する必要があります。

ただ、繰り返しになりますが、選挙は「熱伝導」です。提案内容は突拍子もないものかも知れませんが、そこでの会話をきかっけにその人の強みを活かした協力をして下さった方もたくさんいます。

そのため、今回は、選挙時には「善意の提案」が集まってくること、そして、提案をして下さる人たちを大切におもてなすことの大切さを覚えておいて頂けたらと思います。

チェックリスト
・そもそも、「善意の提案」が集まるような雰囲気なのか
・選対独自の「善意の提案」への対処法は決めているか