行き止まりの集落から考える、まちづくり
今回は、市民から「この議員はしっかりと地域のことを見てくれている!」と思って頂けるように、「行き止まり」を切り口に地域のことを考えていきたいと思います。地域の問題を認識する上で、参考にして頂けたらと思います。
- 今回のポイント!
- 行く理由のない場所、とくに、行き止まりの場所は、議題に上がりづらく、悩みや不満を持っている人が多い。そのため、議員として、そういった場所をしっかりと気にかけることが大切である。
「携帯電話が圏外になる集落」でまちづくり調査
大学院時代、自分は、携帯電話が圏外になってしまう地域で、まちづくりの調査と修士論文の執筆を行いました。その集落は行き止まりにある集落でした。
参考:中山間地域における「地域活性化」とは : 千葉県富津市金谷大沢集落を事例に,2011,東京大学大学院修士論文
通勤の通り道であったり、主要な道路に面していれば、地域の変化に気がつきやすいです。また、そういった接点があるため、なんらかの情報は入ってきます。しかし、行き止まりの場所では情報の蓄積があまりされないのが事実です。また、声も届きづらくなってしまいます。
調査した集落も、
「ここには親戚がいる人が来るくらいかな・・・来る理由がないからね」
そういった場所でした。
実際に、その地域の文献を探すために、役所の方に資料を探してもらったのですが、「『○○地区は、A集落、B集落、C集落、D集落(←調査をしていた集落名)』で構成されている」というものしか手に入らなかったです。
気にかける人が少なくなってしまうと、情報も集約されず、歴史にも残っていかないということを実感しました。
行き止まりの集落に目を向けるという姿勢を!
そういう状態が続いていたためか、「どうせ、ここの地区の話なんて真剣に聞いてくれないよ・・・」という声も聞きました(ただ、論文にも書きましたが、学生たちとの活動で注目が集まると、市役所の方が地域の話を聞きに来るようになり、改善が行われています)。
行く理由のない場所、問題を抱えながらも議題に上がらない場所は存在しています。すでに問題が表出されている場所の対応も大切ですが、まだ問題が表に出ていない場所に目を向ける議員が地域を変えていけるのだと思っています。
「行き止まりの集落」を意識してみてはいかがでしょうか?