活性化とは?

活性化ってなんだろう?

今回は、まちづくりや政策づくりに関して、ちょっとしたクオリティを高める方法について書きたいと思います。実際に、まちづくりに関する相談を受けたとき、議員の方の政策立案のサポートや情報発信に関するアドバイスをするときに使用していることをお伝えします。

今回のポイント!
「活性化」という言葉は様々な意味を持つため、使い勝手が良いが、どの意味で使用しているのかを理解しないと誤解が生じる可能性がある。そのため、明確な文章を書くときは、あえて「活性化」という言葉を使わないで書くと良い。

 

便利な言葉、「活性化」

「活性化」とは便利な言葉です。しかし、気をつけないと、なんとなく分かった気で終わってしまう、魔法の言葉でもあります。

たとえば、下記の文章を見て下さい。

人通りの少ないこの街では「活性化」のために、とある委員会がマルシェを開きました。マルシェは盛り上がり、街は人であふれ、委員会はこのイベントは街の「活性化」につながったと言っています。しかし、床屋さんは「『活性化』につながっていないよ」と言います。また、ある人は、「本当に単発的なイベントでまちが『活性化』するのでしょうか?」と懐疑的です。
「あ、今日の夜は商店街の活性化シンポジウムだ!」
本当の活性化とはなんなのでしょうか?
人通りの少ないこの街では「活性化(A:交流人口の増加)」のために、とある委員会がマルシェを開きました。マルシェは盛り上がり、街は人であふれ、委員会はこのイベントは街の「活性化(A:交流人口の増加)」につながったと言っています。しかし、床屋さんは「『活性化(B:地域経済の潤い。マルシェのお客さんが髪を切るのか?)』につながっていないよ」と言います。また、ある人は、「本当に単発的なイベントだけでまちが『活性化(C:定住人口の増加)』するのでしょうか?」と懐疑的です。
「あ、今日の夜は商店街の活性化シンポジウムだ!」
本当の活性化とはなんなのでしょうか?

 

このように、なんとなく会話は成立するように見えて、議論にはなっていないことがよく分かるかと思います。上の文章では、活性化を、「交流人口の増加」、「地域経済の潤い」、「定住人口の増加」という意味合いで使用しています。これはたとえではなく、実際にこういったことが現場でも起こっています。

あえて、活性化という言葉を使わないで文章を書いてみましょう!

「君が言う活性化とは、なんのことだ?」

と、まちづくりの研究していた大学院時代に、指導教官から良く言われました。そして、活性化という言葉を使用しないで文章を書くという訓練をしたことがあります。そうやって文章を書くのはとても難しいです。そのときに初めて、活性化とは便利で、使い勝手が良い言葉であるため、ついつい使用をしてしまいますが、気をつけないと誤解を生んでしまうのではと、思いました。

・議論をするときは、「自分は○○が活性化だと思う。その点についてどう思いますか?」と論点を絞る
・文章を書くときは、活性化の定義を明確にする、あるいは、活性化という言葉を使用しないで書いてみる

まちづくりに関わっている方や、政策を考えている政治家の方は、上記を意識してはいかがでしょうか?そうすると、論点が明確になり、具体的に議論が進むと思います。