Wikipediaから考える仲間作り

仲間作りをWikipediaの視点から考える

まちづくりや、政治活動、選挙活動には仲間集めが大切です。そこで、本日は、Wikipediaを題材にした仲間作りの考え方をお伝えします。当たり前のことですが、実際にこの話をすると「あぁ、確かにそうですね!」と言って下さる方も多いです。

今回のポイント!
Wikipediaが多くの人の力を借りて、世界を変えるような百科事典になったが、それは特別なことでない。今は、「いつでも、どこでも、誰でも」仕組み次第で協力者を集められるようになっている。仲間集めは対面が可能な人のみを想定しがちだが、それ以外の人まで目を向けるとできることが広がってくる。

 

1人の力は微々たるモノでも、蓄積すると大きな力になる

「風間さん、どうやったら支援者を集めることができますか?」という相談を議員の方から受けることがあります。相談をして下さる多くの方は、支援者の役割を、大きな力を提供してくれる方だと思い込んでいる場合があります。しかし、小さな貢献をたくさん集めることができた場合、同様に活動が進むこともあります。また、そういった小さな力を集約できる仕組みを作っている人の活動は順調に進んでいるように思います。

そういったことを踏まえ、仲間集めに関する相談を受けたとき、自分は下記のWikipediaの話を良くします。

お伝えするWikipediaの話
『Clay Shirky の Cognitive Surplus: How Technology Makes Consumers into Collaborators』によると、現在のwikipediaを1人で再現する場合は1億時間かかるそうです。年数でいうと、1万年です。そして、アメリカ人は国民全体で年間2000億時間テレビを見ているそうです。そのため、たったその1%を使うだけで、世界を変えたwikipediaが20個作れてしまいます。というように、多くの人が一つの方向に向かい協力をすればわりと何でもできてしまうということです。山梨だとどうでしょうか。平成23年10月1日現在の857,690人という人口を使用すると、1人当たり、116.6時間の作業でWikipediaが1つ作れます。1日に換算すると、1年間毎日19.2分の作業をすることになります。つまり、1年間、朝10分、夜10分、1つの目標に向かって山梨県民が知恵と労働力を持ち寄るだけでWikipediaのような世界を変えるものが山梨でもできる可能性があるということです。

 

多様な関わり方を提示してあげるのがリーダーの仕事

現在、IT技術や交通網が発達したため、遠方にいる方とも対面で会うことができたり、インターネット上でも交流を持つことが容易になりました。つまり、上述の話でお伝えをしたいことは、今は「いつでも、どこでも、誰でも」協力者を集められる状態になったということです。

そのため、こういった視点を持つことで、今までは、「あの人は、『遠くにいるから・・・』『時間が無いから・・・』」と声をかけることを躊躇していた人が、「『遠くからだけど』『1日15分だけでも』手伝うよ」と言ってくれるかも知れません。そうして、今までできなかったことができるようになるかもしれません。

たとえば、下記のようなことからでも良いと思います。

  • 遠方にいる文章を書くことが得意な人に、原稿の推敲をお願いする
  • WEB関係の整備をしてもらう
  • まちの資料を送り、客観的なまちのイメージを教えてもらう

このように、様々な関わり方を望む人たちに対して、対応ができる様々な仕事を用意してあげることが必要です。「多くの人が一つの方向に向かい協力をすれば、わりと何でもできてしまう」という感覚を大切にし、多くの人を巻き込める仲間作りを意識してはいかがでしょうか?