まちづくりをクリアにする3つの視点

こんな人にオススメ!
・まちづくり、地域活性化に関わっている方
・まちづくりの政策を考えている議員の方
・まちづくりに関わっている個店の方

 

あなたのまちづくりの関わり方は?

今回は、まちづくりを行う際に考えをクリアにする3つの視点について書きたいと思います。実際に地域活動を行っている、山梨県甲府市の中心商店街にある地域書店、春光堂書店の宮川店長の言葉をお借りして、説明をしていきます。

今回のポイント!
「住んでいるところ、働いているところ、問題のあるところ」のどの部分に自分が関わって、活動をしたいかを考えることが大切である。それぞれの立場から、どれくらいまちづくりに関わっているかをしっかりと把握しないと、継続的な活動は難しい。

 

「住んでいるところ、働いているところ、問題のあるところ」というくくりで、自分の活動が明確に!

一緒に活動をさせて頂いている、宮川店長が2011年のことを振り返り、以前このようなことを言いました。2011年は、東日本大震災、歩いて3分の所に県下最大規模のジュンク堂の出店、郊外に大型ショッピングモールの開店、中心街での暴力団抗争が起き、商店街の人通りが少なくなったという出来事があったそうです。

「2011年の出来事で『住んでいるところ、働いているところ、問題のあるところ』の中心に自分がいることが分かった。だから、地域を巻き込み、自社の利益にもつながり、そして、読書文化を広める活動を同時にしていかなければいけないという覚悟ができた」

そのときに、「地域や、仕事、未来のことを考え、『住んでいるところ、働いているところ、問題のあるところ』の中心に自分がいるため、全てにつながる活動を自分はしていかなければいけない」という覚悟ができたとおっしゃっていました。

この言葉は、まちづくりをする上で大きな示唆を含んでいるように思います。

たとえば、まちづくりや地域活性化をする人たちも、問題を抱えている地域には住んでいないかも知れません。問題のあると言われているところに住んでいる人でも、働いている場所が別であり、実質寝泊まりだけをしているのならば問題を問題と捉えていないかも知れません。住まいは別の所にありますが、問題のある地域で働いている人が、その地域の悩みを真剣に考えているかも知れません。問題をとくに感じていない自分が住んでいる地域を、さらに良い地域にするために活動する人もいるかも知れません。

ちなみに、下記の動画は宮川店長が、「地方で正気を保って生きるには。当事者が考える行き詰まりの街での幸せな生活の模索 ~商店街の小さな本屋が8年間の活動を通じて考えたこと~」というタイトルで、まちづくり、本業、地域の未来について語った動画です。

まちづくりへの関わり方を分類しよう!

このように、その地域への関わり方や感じ方は違います。また、活動に関われる時間も別々です。活動をとひとくくりにして、問題を捉えてしまうと、無理が生じてしまいます。そのため、それぞれの立場をしっかりと把握し、どういった関わり方ができるかと考え、継続的な活動をしていくことが大切だと思います。

すぐにできること!
まちづくりや地域活性化活動に関わっている方は、「住んでいるところ、働いているところ、問題のあるところ」という視点から、その活動にどういう人が関わっている、あるいは、関わっていないかを分類し、それらの人たちがどのような関わり方をして欲しいかということを考えてみて下さい。