年末なので、部屋の片付けをしています。片付けをする中で、どれを捨てようか残そうかを考えています。そのときに、そもそもなぜモノを残したいのか?「所有」とは何なのか?と考え始めてしまいました。これは、片付けが進まない典型的なパターンですね。笑
いま、片付けや、整理についての取れる選択肢が大きく増えたと思います。
野口悠紀雄氏は20年近く前に「分類するな。並べよ」というメッセージを込めた『「超」整理法』を発売し、ベストセラーになりました。「並べよ」を主張している意図は、分類をしようとすると明確に分類ができない「こうもり問題(鳥なのか獣なのか」が生じます。そういった曖昧な分類に時間をかけたり、曖昧な状態が残るようならばいっそのこと時系列にならべて「時間」をラベルにしてしまえという主張です。具体的には、使った資料をしまうときは棚の1番左に置いていくことで、使用頻度の高い書類が左に集まっていき、使い勝手を向上させるものです。そうすると、ずっと右端にある書類は使用頻度が低いものだということが分かるため、処分も簡単に行うことができます。この方法では、使うものや使わないものを等しく分類しないということが肝です。整理というものは、綺麗に置いておくという考えだけでなく、「実用的であるべきだ」という主張を野口氏は整理に持ち込んだように思います。
そして、『「超」整理法』から15年、2008年に『超「超」整理法』を発売しました。このときの主張は、「分類するな。検索せよ」です。こちらは様々なものがデジタル化できることを前提に、情報は分類をしないで検索をすれば良いという主張をし、「検索力」が大切になったと論じています。この当時は、そのような思想は、情報処理やPC関係の話に限定されているように思いましたが、今は実生活でもその発想は大切になってきたと思います。
たとえば、箱の中に不要なものを入れて送り返せば、全てをスマートフォンのアプリ上で観覧でき、必要な場合はそこから引き出せる収納サービスが出てきています。Uberは車での移動、Airbnbは家といったこれまでシェアが行いづらかったものを手軽にできるようなサービスも出てきました。いまや、他人の時間とモノを効率良く活用できるようになったと言えます。
個人的に、大きな変化は、下記だと思います。
「マッチング機能の強化」
隙間時間の活用、自分は必要なくても必要としてくれる人がいたら、そこをつないでくれるマッチング機能の強化「物流の強化」
Amazonのように注文すれば1日で届く物流の強化「保管スペースの拡張(クラウド上、倉庫の活用)」
情報やものを手元に置かないでも安心できる環境の構築「スマートフォンの操作性の向上」
手元で、上記のオペレーションも可能
これらの進化は個々におこりながらも、複合的に結びつき、私たちが受けることのできるサービスの水準を大幅に高めてきました。
そして、そういった世の中の変化により、「持つ」ことの意識が変わってきたように思います。たとえば、手元の紙の書類をPDF化しクラウドに置いてくこともできます。これは、「持っている」という行為でしょうか?物理的には持っていませんが、いつでも自分の都合で引き出せる状況が備わっているため「(情報を)持っている」と言えるかも知れません。
以前より、「書店や図書館を自分の書棚として活用する」、「分からないことは、人に聞けば良い(他人の頭を活用)」といったことを言う人はいました。しかし、今は、各々がそれぞれのやり方で、自分の家になにも持たなくても、すでに「持っている」状態を実現できる時代になってきたように思います。
皆さんは、「持つ」ことをどう捉えていきますか?
結局、片付けは、屁理屈ばかりで、あまり進みませんでした。笑