仲間があっての選挙活動

こんな人にオススメ!
・選挙に立候補した人
・選対をしきっている人
・候補の友人

 

「なんでボランティアの自分たちがこれだけ頑張っているのに・・・」という言葉に注意!

今回は、選挙対策本部(選対)を切り盛りさせて頂いた実体験をもとに、選対の雰囲気を良い状態で保つコツをお伝えします。熱くなると視野が狭くなりますので、ホッと一息つきながら、見て頂けたらと思います。

前回、選対マネジメントのブログ「選挙のときに集まってくる「善意の提案」の扱い方で結果が変わる~選対マネジメント編~」で、下記のように、選挙は熱伝導が大切で、その伝わり方によって、良い流れにも悪い流れにもなるということを書きました。

選挙は「熱伝導」が命です。そのため、そういった支援者の想いをまとめて活動していくことが大切になります。「善意の提案」をむげに扱うと、提案をして下さる人がいなくなります。そうなると、選対が寂しくなり、雰囲気も悪くなります。そして、人や情報が集まらくなり、組織は良い結果が残せません。「熱伝導」はちょっとしたことから、大きく連鎖しますので、注意が必要です。

その熱伝導が悪い方向に向かう瞬間、それが、「なんでボランティアの自分たちがこれだけ頑張っているのに・・・」という言葉です。今回は、そういった言葉が出る理由について説明していきます。「こういうことが起きるのか・・・」と、事前にシミュレーションをすること、また、仲間があっての選挙活動であることをご理解頂けたらと思います。

選挙の基本はボランティア

選挙は基本的にボランティアで仲間が集まってきます。そして、候補も仲間も熱くなり、自分たちができることを行っていきます。

しかし、全てが上手くいく訳ではなく、疲労感に包まれる瞬間も出てきます。そうなると、次のような会話が飛び交います。実際に自分たちの選対でも大なり小なり、こういった会話が生じていました。

「なんで、候補の息子は手伝いに来ないの?」

「なんで、候補は同級生に手伝いの連絡をしないの?」

「なんで、ボランティアの自分たちがこんなに頑張っているのに、本人はもっと自分を追い込まないの??」

同級生と仲が良くなく、手伝いの連絡をしても来てくれないと候補は思っているかも知れません。しかし、周りとしては、「とりあえず、連絡をするだけすれば良いのに!」と思ってしまいます。

熱を入れて仲間が手伝えば手伝うほど、上手くいかなくなった瞬間の反動は大きいものになります。「なんで、かり出された自分たちがこんなに頑張っているのに、自分たちがやった方が良いと思ったことをしないんだよ!」という気持ちが出てきてしまいます。

いくら立派な理屈があっても、仲間がそう思わず、離れていってしまうと意味が無くなる

自分はある選挙で候補の近くにいることが多く、知らず知らずのうちに候補の言葉を代弁していることがありました。そのときに、次の言葉を言われ、ハッとしたことを覚えています。

「いくら立派に理屈を言っても、周りがそう思ったらそういうことになるんだよ。理屈を言っている間に、仲間が離れたら、もう活動はできないよ」

自分はこの言葉を聞いたときに、候補と仲間の考えは違うということ、仲間があっての選挙活動であることを理解しなければいけないと強く感じました。候補にとっては、「ゆずれないこと」もあると思います。ただ、選挙は熱が入ると、余裕がなくなり候補も仲間も意固地になりがちです。

そのため、こういったことが生じることを事前にシミュレーションし、心に余裕を持って頂けると、悪い雰囲気に陥ることを防げると思います。

集まってくれる仲間は財産だと思いますので、互いに良い気持ちで、活動を進めて頂けると嬉しいです。

今回のポイント!
選挙では全てが上手くいくわけではなく、「なんでボランティアの自分たちがこれだけ頑張っているのに、本人はもっと自分を追い込まないの?」という不満がもれることもあります。それには候補なりの理由もあると思いますが、仲間にそういうふうに思われてしまい、仲間が離れていってしまえば活動自体が止まってしまうこともあります。そのため、自分の論理と、仲間の論理が違うことをあらかじめ理解し、互いに気持ちの良い活動を進めて下さい。